2020年8月1日土曜日

北尾トロ仕事帖2020年7月 元レディス総長に「本書きたい」と頼みに行った

新企画をスタートすべく取材の依頼に行った。
断られればそれっきりの緊張感は、
何度やっても慣れることがない
本橋信宏さんに初インタビュー

貴重な梅雨の晴れ間には勝浦にいた
海水浴…じゃなくて、
このあと浜辺を清掃しました。
骨なんです
下関マグロと一緒に取材へ
狩猟歴60年超の大大先輩に
長野で昔の話を聞いた。

2020.07月

文章をホメられるより企画がおもしろいと言われるほうが嬉しい。意識してなくても企画のことが頭にあるためアイデアはわいてくる。だけど、そのときおもしろいと感じたことが、翌朝になってもおもしろい保証はないわけで。まして1カ月、半年、1年と経過する時間に耐えうる企画はめったにない。
だから、運よくそういうものに巡り合ったときは売れる売れない関係なくやらねばならん。そんな大切な企画のひとつがこのたび始動することになった。
覚せい剤で指名手配、逮捕、獄中出産、出所後離婚、建設関連会社起業、元犯罪者雇い入れ実施、現在社員30名以上を抱える企業の社長、という経歴を持つ<元レディス総長>を取材できることになったのだ。
執筆動機や経緯はいろいろあるんだけど、ひとりの人で一冊書いたことのない僕にとっては挑戦しがいのある企画である。タッグを組むのは長年の友人でもあるカメラマンの中川カンゴローだ。
歳を取るとずる賢くなって、ついラクなやり方を使ってしまいがちになる。経験だけは豊富だから、なんとかする技術はあるのだ。けれども、そんなことばかりしているとスレちまって、本気でぶつかることを忘れがちにもなる。フリーの物書きやってて、こんなにつまらないことはない。だから今回は初心に戻るつもりで、出版社の後ろ盾がないやり方にしようと決めた。乗り込んでって取材させてくださいとお願いし、OKが出たら相手のところに通い、時間がかかってもいいから、納得できる形で取材をしていく。版元の都合とか、そういうの関係なし。出版のことを考えるのは、ある程度取材をして、これならおもしろくなると思ってからでいい。で、最初から、相手にそういう形式で取材をするとことを申し出る。駆け引きはしない。
その方針で挨拶に伺ったので緊張した。飄々としているね、なんていわれることが多いけど、じつは手に汗かいてたりするんだよ。
「どうすか。うっとうしく感じることもあると思いますけど全部話してくれますか」
そしたら、こんな答えが返ってきた。
「いいですよ。何も隠す気はないし、これまでも隠してこなかったので」
僕はぜひ、これまで誰もしなかった質問をしてみたいと思う。
今月の仕事
<原稿>
・「鶴の恩返し」「一寸亭」店主インタビュー
(S&B食品WEB)
・猟犬猟師と、いざ山へ。第12回
(青春と読書 集英社)
トロイカ学習帳 第149回
結論は走りながら考えろ!
ノンフィクションライター再入門
(ダ・ヴィンチ9月号 KADOKAWA)
・町中華探検隊がゆく!
(さんたつweb 交通新聞社)
・被告人と証人が「対決」する
前代未聞の法廷シーン
(『シチリアーノ 裏切りの美学』パンフレット用原稿)
・3年間で利用量が約1.5倍と急成長!
ジビエ普及の現在とこれからを考える
(狩猟生活Vol.7 山と渓谷社)
・骨まで愛して欲しいのよ
(狩猟生活Vol.7 山と渓谷社)
・「信州移住(仮)」連載用取材&執筆
(信濃毎日新聞web)

<ラジオ>
・夕暮れ城下町電話出演
(7.01エフエムまつもと)

<受け取材>
(朝日新聞GLOVE)