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2021年6月8日火曜日

北尾トロ仕事帖2021年5月 カミさんの骨折とにわか主夫の多忙

TBSラジオ「たまむすび」で
赤江珠緒さん、土屋玲央さんと。
出演するたびに玲央さんの進化を感じる。
長く感じた1カ月でありました。
GW明けから新刊のイベントや
ラジオ出演など新刊PR月間に入った影響もあるけど
なんつってもカミさんが部屋で転んで
肩を骨折し、生活が変わっちゃった。
2年ほど前にも手首を骨折したが、
今回は利き腕の肩なので、より一層できないことが多い。
病院への送迎・買い物・掃除洗濯・料理なんかを
自分と子どもとでやらなければならなくなった。
コロナ禍で家事を手伝う機会が増えたといっても
自分がやらないと何も回らない状況とは違う。
おかげで料理の手際が良くなった気がする。
コロナ禍になって料理する機会が増えたんだけど
これまではお楽しみでやってた。
日々の必須事項になると、買いものが計画的になり、
後片付けのことを考えながら作るようになる・
やることがたくさんあって、
一日の過ぎるのが早い。
そのくせ、変化が乏しいせいか
一週間は過ぎるのが遅い。

今月の収穫は、かれこれ1年近く取材をしている
元ヤン女社長の企画が某社で通ったことかな。
この取材は勝手に始め、取材を終えた段階で
どこかに持ち込もうと考えていたので
いま決める必要はないのだけど、
企画会議に出したいという編集者が
複数現れてしまったのだ。
なんでそうなるかっていうと、編集者に会うと
「最近は何に興味持ってるの」と尋ねられて、
元ヤン社長ですかね~なんつって
喋ってしまうからなんだよね。
喋りながら、売り込みと思われたら嫌だなと
思ってそう言うのだけれど、
なんせおもしろいわけだから
職業柄興味持つよな編集者は。
ただ、二股かけるのもフェアじゃない気がして、
第一候補はここと決め、
そこで企画が通れば優先するけどそれでも
良いなら会議に出してくださいと話をした。
結果、2社で通ったが、第一候補の
集英社インターナショナルで話を進めることになった。
これは企画が良いためで、僕の力ではない。
期待を裏切らないようにしないとナ。

幸い、カミさんの手術も無事に終わり、
我が家も日常を取り戻しつつある。
長期的に抱えている仕事はほとんどできなかった。
積み残したぶんは6月に進めなくちゃ。
「犬と歩けばワンダフル」イベントで
ノンフィクション作家の
片野ゆかさんと
こちらは「そろそろ本気で信州移住」の
著者インタビュー。
ダ・ヴィンチの「トロイカ学習帳」で
ありそうでない本、なさそうである本クイズを実施
畑の準備が進みました

下関マグロと所沢の町中華へ。

<原稿>
・知らぬがホットケない 第4語「シビック・ハッカー」
(EnergyShift)
・知らぬがホットケない 第5語「エネルギー基本計画(前)」
(EnergyShift)
・トロイカ学習帳 第159回
「本屋はワンダーランド」と信じてきた僕たちは 
 (ダ・ヴィンチ7月号 KADOKAWA)

<ラジオ>
・「たまむすび」
(5.27日 TBSラジオ)
・「いのちの森-Voice of Forest-」
(TOKYO FM 収録6/6,13,20.27放送)

<イベント>
・「犬ってこんなにワンダホー」
北尾トロ×片野ゆか
(ネット配信)

<受け取材>
・「いまほん」
(NHK)
・著者インタビュー
(信濃毎日新聞)











 

2021年5月11日火曜日

北尾トロ仕事帖2021年4月  世界平和観音の衝撃

2021年4月
前回のブログで書いたように、
僕としてはわさわさした月だった。
それでも仕事はしましたよ。
「狩猟生活」vol.8も発売された。
「ダ・ヴィンチ」連載のトロイカ学習帳では
佐伯泰英山脈に登ってみた。
登るっていうか読むんだけど、
未読だったもので、まさかあれほど
エンタメとしての完成度が高いとは知らず、
「居眠り磐音」シリーズ全51巻を
27日間かけて読破。
…もう仕事じゃないよね。
秩父霊場散歩も継続中
伊野孝行さんの個展に

月末、志賀高原の山ノ内大勝軒へ
取材に伺い、日帰り強行軍だったんだけど
帰りに世界平和観音に寄ったところ
大発見が!
世界平和観音は戦時に銅を寄越せとなって
観音像を溶かして軍に差し出した歴史を持っている。
戦後だいぶたってから、復興しようとなり、
地元の有志達が寄付をしたというのだけれど
その顔触れがすごいのだ。
山ノ内町出身者が多い丸長会の
面々がずらり、なのだ。
しかもそれだけではない。
山ノ内町が生んだ町中華界の大物には
生駒軒もあるのだ。
山ノ内町では、戦後、東京に出ていくことを
「出兵」と言ったらしい。
命がけで上京したんだよね。
丸長会と生駒会の揃い踏みが
ここで見られ、深い感動を覚えた。


<原稿>
・「そろそろ本気で信州移住」
(信毎本のWeb 信濃毎日新聞社)

 第31回 ライフワークへの強いこだわりが幸運を呼び込んだ!?
 東京都足立区→飯田市
 第32回 信州の魅力に気がついたのは小布施町に移住してからでした
 東京都墨田区→上高井郡小布施町
 第33回 1カ月間の短期移住で、人生観が変わりました
 神奈川県川崎市→佐久市→南佐久郡佐久穂町
 第34回  20代前半で移住。最初は人との関わりの濃さが衝撃でした
 東京都江戸川区→栃木県芳賀郡益子町→南佐久郡北相木村
 第35回  夫の転勤でまさかの信州住まい。でも3年後、終の棲家を買いました
 神奈川県横浜市→塩尻市→安曇野市
 第36回  登山と星景写真を優先し、内定を断って諏訪へ来ました
 鳥取県倉吉市→諏訪市

・近藤弥生子氏インタビュー
(ダ・ヴィンチ6月号 KADOKAWA)
・トロイカ学習帳 第158回
突然の噴火から20年。エンタメ時代小説の巨匠に挑む!
「佐伯泰英山脈」フゥフゥ登頂記 
(ダ・ヴィンチ6月号 KADOKAWA)
・知らぬがホットケない 第3語「カーボンニュートラル」
(EnergyShift)
















 

2021年5月1日土曜日

新刊発売 「犬と歩けばワンダフル」「そろそろ本気で信州移住」


狙ったわけではないのだけれど、昨年来執筆中だった2冊の本が4月後半に発行された。「犬」と「移住」。テーマの異なる本に共通するのは「信州」。僕にとって、7年半の信州暮らしの成果みたいな本たちである。

ひとつは犬の本。人生のほとんどを犬たちと過ごしてきたベテラン猟師と、イノシシやシカを追って行動を共にする猟犬たちを2年半追いかけたドキュメンタリーだ。

発行元である集英社の編集者に企画を持ちかけられたときは、どうしようかと少し悩んだ。僕は狩猟者免許を持ち、空気銃を使う猟師の端くれなので、狩猟は怖くない。銃声にも慣れているし、狩猟がどんなものか一応知っている。

問題は犬だった。ひとつには猟犬の世界を知らないこと。そしてもうひとつは、飼ったことがあるのはもっぱら猫で、犬に馴染みがないことだ。動物は敏感なので、猟犬たちを好きになれなければ、たぶん取材は失敗する。それでもやってみようと思った理由は、義母の愛犬をよく散歩させていたことと、探し当てた猟師の人柄、飼っている犬を始めて見たときに「怖い」ではなく「すごい」と思ったからだ。

手探りで始めた取材は、行き先のわからない旅のようなものだった。

狩猟シーズンが始まり、一緒に山へ入って猟犬と猟師がそこで何をし、何をしないかを観察する。犬の能力とはどんなものかを肌で感じる。それだけで1シーズンが過ぎた。

「青春と読書」で連載することが決まっていたので、先が見えないまま書き始めなければならなかった。不安だったが、書きたいことも見えてきた。猟犬を使う大物猟を題材にした、人と犬の物語を書きたい---。

ここから先、どういう思いがけないことが起きたのか。犬の能力はいかにすごいのか。人とのつながりはいかほどなのか。赤ちゃん犬はどのようにして猟犬になっていくのか。それは本を読んで確かめてほしい。

僕はこの本で、ドキュメンタリーを書く楽しみをまた発見してうれしかった。犬好きの人、狩猟に興味のある人に届くといいな。

発行:集英社、編集担当:出和陽子、撮影:小堀ダイスケ、彫刻:はしもとみお、装幀:島田隆 カバー・表紙写真:露木聡子

『そろそろ本気で信州移住 考え始めたあなたへ。先輩たちの本音アドバイス

2012年夏から2020年春まで7年半暮らした信州をテーマに本を作りたいと思ったのは、家の事情で松本を離れることになるだろうと思ったときだった。

松本にいるとき、移住エッセイ的なものを書きたいと思ったことはなかったが、離れる前提で考えてみると、信州への移住を希望する人の手掛かりになりそうな本は意外に少ないと気がついた。信州は広く、気候も違えば風景や名物料理も違うことに、移住者は住み始めてから気がつくことが多い。それは僕の実感でもあったので、本をつくるなら信州全域をカバーするものにしようと思った。

移住の動機、移住までの経緯、仕事をどうしたのか、住む場所はどのように見つけたのか、住んでみてどう思ったか。いいことばかりではなく、困った点も含め、リアリティのある、これから移住する人の参考になるものを作りたい。

そうなると、僕の個人的な体験では話にならない。そこで、著者という立場ではなく、編著者としてまとめ役をやろうと決め、各市町村の移住担当者の協力を得て人選を行い、アンケートを実施。回答を補足する形でインタビューを行うことにした。

進行中に勃発したコロナ禍のために直接会えた人は少なかったが、長野県在住のカメラマンと担当編集者がすべての人の元へ行き、撮影を行っている。地域の魅力を伝えるために、カメラマンが2度も3度も足を運んだ場所もあった。

オールカラーにしたのは、写真をしっかり見せたかったからだ。文章だけではなく、写真から伝わるイメージも大きい。移住を考える人にとって何が実用的かを考えた結果だ。

全35組の先輩移住者たちが何を思い、どう行動したか、その経験はきっと、これから移住する人の参考になるはずだ。

はからずも、コロナ禍によってリモートでの仕事が進み、移住も新しい局面を迎えている。偶然だが、いいタイミングで出版することができた。信州への移住を考え始めた人が、本書をそばに置いて検討の材料にしてくれたらうれしい。

発行元:信濃毎日新聞社、編集担当:山崎紀子、撮影:山浦剛典、ブックデザイン:中沢定幸